「なんとなく疲れているのに眠れない」「寝ても疲れがとれない」
そんな夜、ありませんか?
布団に入っても、頭がぐるぐると考えごとをはじめてしまう。
明日のことが不安で眠れない。SNSを眺めていたら、いつの間にか夜中の2時。
──それ、あなただけじゃありません。
厚生労働省は令和5年5月に、休養・睡眠分野に関する目標を定めた基本方針を公表しました。そこで示されたデータによると、令和元年の60歳未満において睡眠時間が十分に確保できている人(睡眠時間6〜9時間)は53.2%であり、睡眠で休養が取れている人は70.4%とのことでした。
つまり、60歳未満に限ってみると、2人に1人(約50%)が十分な睡眠時間を確保することができず、3人に1人(約30%)が睡眠によって休養をとることができていないということがわかりました。
現代人の多くが「睡眠の悩み」を抱えている今、睡眠はただの“休息”ではなく、こころの健康を支える大切な習慣なのです。
「疲れてるのに眠れない」その理由は、こころと脳のズレ
一見「眠くない」と思っていても、実は脳や体が疲れ切っていることはよくあります。
たとえば、職場で1日中気を張っていた日。
帰宅しても気持ちが切り替わらず、「なんとなくSNSを見てしまう」「何かしなきゃと焦ってしまう」。
これは自律神経がうまくリセットされていない状態です。
体が「今は休もう」と言っているのに、頭の中では「明日のこと」「今日の失敗」「あの人の言葉」がぐるぐる……。
この「ズレ」が続くと、寝つきがわるくなる、せっかく寝たのに途中で目が覚めてしまう、日中に眠気が生じるといった不調が生まれます。
睡眠負債ってなに? 〜知らないうちに「時差ボケ」したような状態に〜
厚生労働省の『健康づくりのための睡眠ガイド』では、平日の睡眠不足(睡眠負債)の影響が指摘されています。
この「睡眠負債」を解消しようとして、休日に「寝だめ」しようとする人がいますが、実際に眠りを「ためる」ことはできません。
国際的には、毎週末(休日)に時差地域への旅行を繰り返すことに似ていることから、「社会的時差ボケ(Social Jetlag)」と呼ばれています。
この「社会的時差ボケ」が繰り返されるとどうなるか?
- 集中力や判断力の低下
- イライラや気分の落ち込み
- 肌荒れや免疫力の低下
- 月経不順やホルモンバランスの乱れ など
つまり、睡眠の質はこころとからだの健康の土台。
だからこそ、睡眠を「休息」ではなく「こころと体を整えるセルフケア」として見直すことが大切です。
こころにやさしい「ゆるケア」睡眠習慣:3つの基本
① 朝起きる時間を固定する(週末も!)
夜更かししてしまっても、朝はいつもどおり起きるのがベストです。
「え、寝だめしちゃダメなの?」と思うかもしれませんが、実は寝だめは体内時計を狂わせる原因。
厚労省の資料でも、「一定の起床時間を守ること」が推奨されています。
ゆるぴーゆるケアアドバイス:
日曜の朝は無理に起きなくてOK。でも「カーテンを開けて朝日を浴びる」だけでも、体内時計はリセットされますよ。
② 寝る90分前から「おやすみ準備」タイム
スマホを見ながら寝落ちしてしまう人、実は多いです。
でも、寝る前のブルーライトやSNSは交感神経を刺激して脳が覚醒状態に。
できれば寝る90分前から、リラックスするための準備をしましょう。
とはいえ、仕事で疲れて帰ってきたあとにスマホが使えないのはムリ!という人は、ブルーライトをカットするモードにしたり、刺激の少ないコンテンツを見るようにしましょう。



おすすめの過ごし方
・いい香りで深呼吸(私はお香を焚いたりしています◎)
・ぬるめのお風呂に15分(寝る前90分前が理想)
・ノンカフェインの温かい飲み物
・今日1日を手帳に3行だけ書く
こうしたルーティンは、「今から眠る時間だよ」と脳にやさしく伝える合図になります。
③ 寝つきが悪い夜は「開き直る!」
どうしても眠れない夜は、「寝なきゃ」と思うほど眠れなくなってしまうもの。
そんなときは布団から一度出て、照明を落として静かに過ごすことが推奨されています。



筆者の体験談:
ある日どうしても眠れず、布団の中で2時間経過…。思い切って起きて、温かいミルクを飲みながら手帳を書いていたら、いつの間にかうとうとしていました。
「寝なきゃ」という思いはプレッシャーになります。自分を責めず、やさしく待つ姿勢がいちばんの近道です。
最後に:あなたの睡眠は、こころの土台です
睡眠は「努力」ではなく、「整えるもの」。
自分に合った睡眠習慣を見つけることは、こころをやさしく抱きしめることと同じです。
どんなに忙しい日も、つらかった日も。
今日1日がんばった自分にはなまるをあげましょう。
このブログが、そんな夜の小さな味方になれたら嬉しいです。
明日からできる!睡眠ゆるケアまとめ
| やること | ポイント |
|---|---|
| 毎朝同じ時間に起きる | 体内時計のリセット |
| 寝る前90分は“おやすみ儀式” | なるべくリラックスできることをしよう |
| 眠れないときは「開き直る!」 | 焦らず、一度起きて静かに過ごす |
参考資料
- 『厚生労働省『健康づくりのための睡眠ガイド 2023』|https://www.mhlw.go.jp/content/001305530.pdf|参照2025-07-20






