「またやってしまった…」と自己嫌悪の夜に
本当は、もっと自分を大切にしたい。
こころも身体もいたわって、ちゃんと休ませてあげたい。
そう思っているのに、気づいたらまたお酒を飲みすぎたり、つながりたくない相手と関係を持ってしまったり…。
「なんでまたこんなことしちゃったんだろう」
そんなふうに、静かな夜にひとり反省会をして、こころが沈んでしまう日、ありませんか?
でも、まず伝えたいのは、
それは、あなたがダメだからじゃないということ。
自分を傷つけるような行動をとってしまう背景には、ちゃんと理由があります。
それは、あなたが「自分を助けるため」に必要なことだったのです。
なぜやめたいのにやめられないのか?
やめたい。もう繰り返したくない。
そう思っているのに、やめられない。
それって、すごく苦しいことですよね。
たとえば、疲れ果てた夜に飲むお酒や、もやもやした気持ちを一瞬でも消したくてするリストカット。
ほんとうはこころを通わせたくて求めた関係に、逆にむなしさを感じたり。
そういった行動の多くは、本来「自分を助けるため」に始めたものだったかもしれません。
実はこうした行動は、一時的にストレスや不安を軽くする「こころの応急処置」のような役割を果たしています。
- 寂しさをごまかすために、手元の薬をもう1錠…
- 誰かに必要とされたくて、自分を大切にできないつながりを求めてしまう
- 考える余裕がないくらい疲れて、気付けば腕を切っている
- ストロング系チューハイを飲んで、気分を紛らわしている
こうした習慣は、最初は自分を助ける手段として身につけたものなのです。
でも、その方法がちょっと過剰になってきただけ。
これまでずっとがんばってきたからこそ、自分をなんとか保とうとしてきた結果なのです。
むしろ、よく生き延びてきたと自分をほめてあげてくださいね。
「自分を大切にする」って、どういうこと?
最近はSNSでも「自分を大切にしよう」「セルフケアが大事」とよく見かけます。
だけど、「それができればこんなことにはなっていない」と
少し遠い世界の話に思えてしまうことはありませんか?
でも、「自分を大切にする」ことは、必ずしもSNSで出てくるようなキラキラした生活を送ることではありません。
- 高級スキンケアをそろえること
- おしゃれなカフェで過ごすこと
- こだわりのモーニングルーティーンをすること
これらも素敵ですが、本質はそこじゃないです。
最初は頑張ることができても、自分を大切にするどころか疲れてしまいそうです…。
まずは、自分のこころの声や身体の状態に、耳を傾けることから始めましょう。
それが「自分を大切にする」ということのはじめの一歩です。
たとえば、
「今日は本当に疲れてるな」
「さみしかったから、誰かに触れていたかったんだ」
「耐えられない感情を、自傷で紛らわせようとしていたんだ」
「イライラやもやもやを酒でなんとか考えないようにしていたんだ」
そうやって、まずは自分の気持ちをそのまま認めてあげるだけでも立派なセルフケア。
すべてを完璧にではなく、
むしろ「完璧じゃない自分を受け入れる(承認する)」ことが、とても大切です。
やめたい習慣とゆるく付き合う3つのヒント
やめなきゃ…と焦るほど、やめられなくなることってありますよね。
ここでは、少しだけ自分を追い込まない方法をご紹介します。
1. 禁止しない、置きかえる
「もう絶対飲まない!」「もう会わない!」と強く決めても、反動がきてもっとひどくなってしまうことはありませんか?
そんなときは、「ゼロにしよう」ではなく「ちょっと変えてみる」がおすすめです。
- お酒を1週間に数回ノンアルにしてみる
- タバコのかわりに、ガムやコーヒーにしてみる
- 眠れないときの薬を、まずは医師に相談して調整してもらう
- 「さみしさを埋めるだけの関係」ではなく、自分が安心できる人とつながる時間を選ぶ
とても難しいですが、「置きかえ」は、こころと身体にやさしい選択肢を増やすことでもあります。
2. 「トリガー」を知る
その行動のきっかけについて、思い返してみたことはありますか?
- 仕事で失敗した日は、薬を多めに飲んでしまう
- 誰かに否定された夜、誰でもいいからつながりたくなる
- 週末の夜に限って、飲みすぎてしまう
その行動のトリガーを知ることで、
その場面にどう対応するかの「予防線」を張れるようになります。
3. 「0か100か」じゃなく「70点でOK」を目指す
「どうせやるなら完璧に」「1回でもやったら失敗」
そう思ってしまう方はとても多いです。
でも、それではやっぱり疲れてしまいますよね。
少しずつやめる、ちょっと頻度を減らす、週に1回だけ休肝日を設ける…。
それだけでも、十分前に進んでいます。
70点でOK。
ゆるっとでOK。
あなたのペースで、ゆっくり進めば大丈夫です。
夜のひとり時間に読むセルフケア
しんどい夜に読み返してほしい、小さな処方箋
あなたの自分を大切にできない行動は、広い意味での「自傷行為」です。
これは大変な状況をなんとか生き延びるための自分の助け方でした。
自分を大切にしたいのに、うまくできなかった日もある。
でも、それはどうしようもない状況を生きようとしている証拠です。
あなたは十分よくやっている。
それでも、一人ではどうしようもできないときには、
誰か周りの(あなたを大切にしてくれそうな)人に相談してみてくださいね。
おわりに
「やめたいのに、やめられない」
そんな自分を責める前に、少しだけ立ち止まってみてください。
あなたは、もう十分よくやっている。
大切にしたいと思っているだけで、本当はすごいことなんです。
このブログが、そんな夜のよりどころになれたらうれしいです。
気持ちがしんどくなったときは、またここに戻ってきてくださいね。
